歯列矯正は、保険診療の対象外となります。
そのため、診療にかかった費用は全額が自費での支払いとなります。例外として、先天的な疾患によって歯列矯正が必要となった場合と、外科的手術を要する歯列矯正の場合は、保険診療の対象となります。
しかし、歯列矯正を希望されるほとんどの方が、保険診療の対象外とされます。全額が自己負担となるため、治療内容や費用、治療終了後の保証については、各々の歯科医院によって全く異なります。また、これにより、トラブルが発生することも多くあります。
特に費用に関しては高額のため、治療開始前にきちんと把握しておく必要があるでしょう。
見積書で矯正治療にかかる基本的な金額を表示してもらってからも、それ以外にかかる費用があるかどうか確認しておく必要があります。
例えば、再診料、歯のクリーニング代、口腔内のメンテナンスに必要なグッズ、装置が壊れてしまった時の修理代等が別途かかることがあります。また、歯科医師の診断によっては、医療費控除を受けることもできます。これは、歯並びによって機能的に問題が出てしまうため、歯列矯正が必要だと担当医が判断した場合ですが、確定申告によって納めた税金の一部が戻ってくるという制度です。自分がこの制度を使えるかどうかは、医師に相談してみることをおすすめします。
その他、考えられるトラブルですが、矯正治療の名医と言われる人の治療を受けるため、自宅から離れた歯科医院に通うことを選ばれる方がいらっしゃいます。しかし、その医師が急に診察をやめるとなった場合、どのような措置を取ってもらえるのか、歯科医院に確認しておきましょう。ワイヤーの調整等は予約制になりますが、人気のある医院の場合は予約が非常に取りにくく、装置が破損してしまった等の急なアクシデントがある場合は予約が取れず、数日間待つはめになることもあるようです。長期間通うため、予想されないアクシデントも多々ありますから、矯正治療をするメリット・デメリットについて納得のいくまで医師と話し合いをすることが大切です。