矯正歯科での治療を完了したからと言って、完全に大丈夫だというわけではありません。時には、治療前の歯並びや噛み合わせに戻ってしまうこともあります。これは、「後戻り」と呼ばれています。完全に元の状態に戻ってしまうことは稀ですが、多少の後戻りは起きてしまうようです。

この後戻りを、できる限り防ぐために、保定が重要になります。矯正装置を装着して、歯を正しい位置へ動かした後でも、歯は、元の位置に戻ろうとしてしまうのです。そのため、矯正歯科では、矯正装置を装着した治療の後には、保定期間が設けられています。保定期間は、保定装置を装着して、矯正した歯を、安定させるための治療期間です。保定装置には、取り外し可能な装置が多いので、保定装置の装着を忘れてしまったり、怠ってしまったりしたために、後戻りしてしまうことも、よくあります。後戻りをできる限り防ぎたいなら、保定期間は、保定装置を忘れずに、しっかり装着する必要があります。

しかし、保定装置を正しく、決められた期間付けていても、後戻りが起きてしまうこともあります。後戻りには、様々な要因が考えられていますが、原因や予防法は定かではありません。
そのために、矯正歯科の中には、後戻りが起きてしまったときの保証まで行ってくれる矯正歯科もあります。後戻りが心配な時には、後戻りまで保証してくれる矯正歯科がお奨めです。また、カウンセリングの段階で、後戻りについての保証についても確認しておくと安心です。矯正歯科での治療では、治療が完了した後でも、定期的にメンテナンスを受けて、歯並びや噛み癖などをチェックしてもらうことも大切になります。

もし、後戻りが起きてしまった場合でも、再度、矯正治療を行うこともできます。後戻りの矯正治療の場合、最初の治療の時よりも、治療の期間が短くなることがほとんどです。後戻りが起きてしまった時には、矯正治療を行った歯科医で相談してみると良いでしょう。